2024年、さぬき市にオープンしたカフェ「時の納屋」

(写真出典 https://sanuki-sa.jp/tokinonaya/)

「大君の 遠の朝廷(みかど)と あり通ふ 島門(しまと)を見れば 神代(かみよ)し思ほゆ」

絶景をご紹介します。香川県さぬき市大串半島のカフェ「時の納屋」から眺める瀬戸内海です。
この素晴らしい風景を、万葉集、古事記の専門家である専修大学の大浦誠士教授(4月から上代文学会の代表に就任)に伝えたところ、ご教授いただいたのが、冒頭の歌です。

大君の 遠の朝廷と あり通ふ 島門を見れば 神代し思ほゆ (万葉集巻三・三〇四番歌)

教授によると、柿本人麻呂が九州に下る折、瀬戸の島々を見て神代の昔に思いをはせた歌です。
「大君の遠の朝廷」とは大宰府のこと。 万葉の時代、奈良の都と大宰府とをつなぐ瀬戸内航路は、もっとも主要な交通路でした。
人麻呂の思う「神代」は、この国のはじまりのこと。四国や小豆島などの島々が誕生した国生み神話の代です。
瀬戸に浮かぶ島々と潮の流れを眺めていると、その風景が経てきた、悠久の時を感じられます。
万葉集から、とられた元号「令和」。この御代に創られた「時の納屋」にピッタリの歌をご紹介くださいまして、大浦教授、心より御礼申し上げます。

人影のない早朝が、私のお気に入りです。 是非、お立ち寄りください。